#7 2017年を振り返るPart3
#6の続き。
いよいよトップ3の発表。
第3位 1ビットコインが200万円を突破(2017年12月)
これは衝撃でした。2017年1月は11万円でした。4月に施行された改正資金決済法等を境に、価格は最高値を更新し続け、数度の分裂があったものの12月には200万円を突破。
映画「ソーシャルネットワーク」にも出てきたウィンクルボス兄弟が初のビットコインビリオネアになったというニュースも印象的でした。
2018年は一体どのようになるのか注目です。
第2位 PKSHA Technologyの上場(2017年9月)
ディープラーニング関連でメディアに多数出演されている東大松尾准教授の松尾研発の第三世代AIベンチャー。
現時点で、PERは400倍超、時価総額は1,500億円を超えており、マーケットの期待が半端ないです。
2018年はPKSHAに続き複数の第三世代AIベンチャーがマザーズに上場するのではないでしょうか。
第1位 ソフトバンク・ビジョン・ファンドの設立(2017年5月)
10兆円ファンド。。。。年金ファンドなど莫大な資金を運用する投資家を巨鯨と呼びますが、このファンドは確実にシロナガスクジラですね。
そんな冗談を言うしかないほど、規模が桁違いです。孫さんだからこそ集められた金額だと思いますし、孫さんだからこそ成功させてくれそうな気になります。
これまでの報道では、ARM、WeWork、滴滴出行などが投資予定となっています。
日本でベンチャー投資に携わる身としては、このファンドに出資されるような企業を育てる必要があると感じます。
以上、3回にわたって「2017年に起きた出来事のうち、個人的に気になったことベストイレブン」を紹介してきました。
こうして振り返ってみると、時代の大きなうねりを感じます。
2018年はプライベートエクイティファンドの活躍の機会がますます増えそうです。
私も、引き続き日本から新産業を創出すべく仕事にまい進して参ります。
#6 2017年を振り返るPart2
#5の続き。
Part2では第7位から第4位までを発表する。
飛ぶ鳥落とす勢いだったUberに起きたカラニックCEOの退任。退任理由は、社内でセクハラをはじめとした多くの不祥事が起きた責任をとったものと言われている。
米国や中国では競合も出てきており、今後さらに競争は激化するだろう。
日本では、川鍋会長率いる日本交通が「全国タクシー」アプリを展開しており、Uberは苦戦中。実際、「全国タクシー」は非常に便利。
そもそも、米国ではタクシーがつかまりにくかったからUberが普及したわけで、タクシー環境が整っている日本でUberが生き残るには、格安で乗れるようにするorちょっとイケてる感じのタクシー会社になるくらいしかないと思われる。(Uber eatsは広がるかもしれませんが。)
VC目線での印象的なトピックではないが、今年はセクハラの告発も非常に大きなトピックだった。ワインスタイン氏のセクハラ報道に始まり、そこから数多くの勇気ある女性が立ち上がり#MeTooとハリウッド界隈での告発が相次いだ。
日本ではクールジャパン機構の幹部が告発されたり、詩織さん、はあちゅうさんの告発があった。正直この声は氷山の一角も一角だと思う。
セクハラ行為は言語道断であるが、男性側もいらぬ疑惑がかからぬよう、職場の女性に触れない、仕事以外の話を振らない、1対1で密室に入らない、プライベートで会わないことを心掛け、セクハラの疑惑がかからないように注意すべき。
第6位 Amazon、ホールフーズを買収(2017年8月)
Amazonが高級スーパーのホールフーズを買収。もう地球を支配してしまう勢い。佐川急便が配送から撤退したりと、ロジ面でネガティブなニュースはあったものの、Amazonの勢いは止まらない。
第5位 東芝メモリ、日米韓連合に売却(2017年9月)
東芝の稼ぎ頭である東芝メモリがベインキャピタルを中心とした日米韓連合に売却。
日本を代表する企業の没落、PEファンドの台頭を感じさせる。
関連して、東証の上場廃止基準が大企業に甘く、中小企業に厳しい気がする。もしそうだとすれば、日本の株式市場全体の信頼を損ねることに繋がるので辞めて欲しい。本当に内部管理体制は整っていたのか疑問。
第4位 プリファード・ネットワークス、トヨタ自動車より約105億円を調達(2017年8月)
以前記事にも書いたが、AI関連ベンチャーとして国内では有名なプリファード・ネットワークスがトヨタ自動車より100億円超の資金調達を実施。未上場の企業に対して、大企業が大型の出資を行うケースが今後増えてくることを予感させる。世の中、深刻な金余りだからね。
Part3に続く。
#5 2017年を振り返るPart1
久々の更新。
今年も残すところあと僅か。
今回は2017年に起きた出来事のうち、個人的に気になったことベストイレブンを発表する。
本記事では第11位から第8位まで。
第11位 Station Fオープン(2017年7月)
フランス・パリにオープンした、超巨大インキュベーション施設。約3,000社のスタートアップが入居できるということで、「ちょっと何言ってるかわかんない」規模。
今後、Station Fから多くのスタートアップが生まれてくると期待。まだ行けていないのでいつか行ってみたい。
第10位 Google Home日本上陸(2017年10月)
AIスピーカー、Google Homeが日本でも発売開始。まだできることは限定的なようで、某家電量販店で半額で売られていたことが印象的。今後に期待。
第9位 シャープ、東証一部に復帰(2017年12月)
鴻海から派遣された戴社長が非常に印象的。
シャープが鴻海からの出資を受け入れた際には、シャープが中国の企業に乗っ取られたといった声も多く聞かれたが、今そのような声はない。
大企業の経営を外部から来た人間が担うという選択が増えてくることを予感させた。
第8位 メルカリ、山田社長が会長、小泉取締役が社長に就任(2017年4月)
フリマアプリ事業を手掛けるメルカリは、現在、日本を代表するユニコーン企業。
創業者の山田社長が会長に、小泉取締役が社長に就任するという人事は、これから世界を獲りに行くという明確な意思を感じた。
Part2に続く。
#4 Preffered Networksの資金調達
Preffered Networksがトヨタから約105億円の追加出資を受けるとのこと。
同社は深層学習の分野では国内トップだと個人的には思っているので、追加出資に驚きはなかった。
しかし100億円越えには正直驚いた。
上場企業の公募増資だとしても100億円越えはそうそうない。
このニュースは未上場企業を応援する身としては、大変うれしいニュース。
自動車業界トップと深層学習分野トップの連合。
一人の日本人として、自動運転技術で何とか米国企業を巻き返して欲しい。
応援しています。
#3 ジャフコが野村との持ち合いを解消したニュース
国内VC最大手ジャフコが野村ホールディングスと野村総研の持ち合いを解消するとの報道があった。
日本のVC業界は他の業界と比べても異質で、
ジャフコが圧倒的な規模を誇っている。
(INCJは政府系なので除いた。)
銀行であれば三菱、三井、みずほ、
証券であれば野村、大和、日興、みずほ、三菱、
生保であれば日生、第一
といったように大手といえば複数社挙げることができるものだが、VCとなるとジャフコ一強なのだ。
今回の報道によると円満な解消とのこと。
これまで野村とジャフコは日本全国の顧客ネットワークを融通し合っていたのだろうと思うが、資本関係がなくなるとその関係がどうなるのかが多少気になる。
SMBCと大和が離れたとき、三菱とMSがくっついたときは市場に対してそれなりの影響があるのだろうと予想できたが、今回のニュースを聞いてもVC業界においては殆ど影響はないのではないだろうかと思われる。
それくらいジャフコは圧倒的。
#2 メディア露出について
ベンチャーキャピタルにとって、
投資先企業のメディア露出を投資先企業と共に考えることも重要な仕事。
会社の更なる成長を大きな目的、
一つブレイクダウンさせて、顧客開拓、近い将来の出資候補先探し、及び提携先探し等を目的として、
投資を実行した場合、新しいサービスをローンチした場合、及び事業提携を行った場合等のタイミングでメディア露出を図る。
その際、どれだけ「イケているメディア」で露出できるかが重要な問題となるが、今日は少し考えさせられることがあった。
それは、むやみやたらに露出するものではない、ということ。
ちなみに、「イケているメディア」を定義することは難しいが、ここでは、「イノベーター層、アーリーアダプター層への波及効果が大きいメディア」と考える。
とあるキュレーションサイトをみていると、
「X社がAベンチャーキャピタルとBベンチャーキャピタルを割当先とする第三者割当を実施しました!!」といった内容の記事が3つ連続で掲載されていた。
同一内容のリリースを掲載してしまっているキュレーションサイトの問題なのかもしれないが、正直くどいし、なんというか必死な感じが伝わってきてしまい、少し萎えた。
キュレーションサイトが市民権を得ている昨今、短絡的に、とりあえずできるだけ露出しよう!となるのは危険だと認識させられた。
#1 自己紹介
初投稿になります。
簡単に自己紹介をさせて頂きますと、
都内の大学を卒業後、金融機関に就職。
現在は日本の某ベンチャーキャピタルに勤めております。
このブログでは、私が個人的に気になったことを纏めていきたいと思います。